-----それから何日か経ったある日。






「えぇー?!?
あの浅倉春樹を振ったの?!」

「それであの東條要と付き合ってるの?!」







クラスの中でそんな噂が流れていて

私は皆に囲まれて尋問されていた。







「う、うん…?そうだけど…。」


「何で?!何であんな王子みたいな
理想の彼氏と付き合ってたのに…。」

「そうそう!人気者でイケメンだし!」

「しかも東條って…怖い不良じゃん!」






振る理由なくない?!

目覚ましなよ!!



と女子からあれこれ言われて
困り果てていた時。




不意に後ろから
ガッチリ腕を回されて

抱き締められて、ドキッとする。







「ふ、ざ、け、ん、な!

何が王子だ馬鹿じゃねぇの!
あんな女癖悪い男見たことねぇっつの!」

「か、要…?!」







怒った声で目の前にいる女子たちに
そう言い放つのは、私の彼氏。



不良で噂の "あの" 東條要くん。







「げっ!と、東條…?!」

「何だよその顔。
悪かったな怖い不良で。」







そう言いながらも

何だかんだショックなのか
拗ねた顔になりながら
女子たちを見る要。




(うっ…な、何かちょっと可愛い…。)





そんなことを周りの皆も思ったのか

怯える表情から一変、
少し興味津々そうに私たちを見る。







「…へぇ〜、東條って沙織がいると
そんな優しい表情するんだ?」

「っ、え、沙奈…?!」

「うーん、これならあの男より
東條の方が沙織を任せられるかも。」

「え、歩美…?!」







親友2人もそんなことを言いながら
私たちをニヤニヤしながら見つめる。





ちょ、皆してその顔やめて…!