3月18日(金)。


「ーー先輩!」


桜の舞い散る卒業の日。


きれいにセットされた髪を乱して私の元へ
駆け寄ってきた可愛い後輩。


「ゆかりちゃん。どした?」


笑いかけてそう小柄な彼女に聞いてみれば、
その大きな瞳に涙を溜めた。


「そ、卒業、おめでとうございますって、
笑顔で言おうと思ったけど、やっぱり無理です〜!!」


途切れ途切れで言葉を発したかと思うと、
突然泣き出した彼女。