過去へ舞う姫

総司「それで大和屋の日から烝を翔につけてたんだ」




木に登ったとき感じた視線は烝だったのか...




幸奈「そして今回楠達が私を連れ去ろうとしたから烝が出てきたと」



烝「そういうことや」



幸奈「私の為にわざわざすみませんねぇ」アハッ



土方「お前の為だけじゃねぇんだけどな...」



幸奈「そうなの?」



土方「あいつらは間者だ。始末しなきゃなんねぇ」



幸奈「ほぅ、ある意味私は囮だったのか...」



土方・総司・烝「……………………」



幸奈「否定しないんかいっっ!!」



土方「とにかくあいつらは始末する」



幸奈「...…芹沢さんを暗殺した犯人として?」



土方「っっ!あぁ……」



幸奈「……………………そう」



土方「すまねぇ」



幸奈「なんで土方が謝るの?」



土方「お前が長州の人間だからだ」



幸奈「私は別に長州の人間ってわけでもないから、

拾われたのは長州、でもはじめに見つけたのは新撰組

私はどちらでもないし、どちらでもありたい」



土方「……お前は何がしたいんだ?」



幸奈「日本統一」



総司「……馬鹿げてる」



幸奈「それは向こうでも言われた。でも私は統一させる為に新撰組に来たの!

皆の事がどうでもよかったらこんな事しない!でも私にとって皆は大切だから死んで欲しくないから

私は歴史を変えに来たのっ!!

私にしか出来ないことだから……」



烝「...で、何か変わったんか?」



幸奈「微妙」



烝「どないな意味やねん」



幸奈「結果は同じだったんだけど、そこまでに至るまでの経緯がほんの少しだけ変わった」



烝「変わったって言えるんか?」



幸奈「さぁ?」



烝「わからんのかい!」



幸奈「私は変わったって思うよ」




「土方さん!」



部屋の外からどでかい声が聞こえた



土方「入れ」



スッ


入ってきたのは血濡れの左之



左之「終わりました」



土方「ご苦労だったな」