過去へ舞う姫

グサァッ


心臓に一突き……


の筈だったが少し外してしまった……...





幸奈「ぁ…あぁ...ごめんなさい……お梅さん...」



梅「いいんよ……おお...きに……...ゆ...きな……きばってぇ...な……」



幸奈「お梅さんっっ」



梅「芹沢は...ん……はよう...来てな……」




とても苦しそうに話す




芹沢「あぁ、待っていろ」




お梅さんはニコリと笑い息絶えた……



ザッ ……ポタポタ



刀をお梅さんから抜く




幸奈「ハァハァ...」



芹沢「...翔!来い!」



幸奈「!……っはい!」




キィンッッッ





芹沢さんと刀を交える



やはり強い……稽古の時以上の力だ……...





芹沢「翔...すまぬな」



幸奈「いえ、私は私の意思でここに来ましたっ」



キィンッ


スッ スッ


サッ



中々決着がつかない



幸奈「ハァ...ハァ...」



芹沢「そろそろ終わりにしよう」



幸奈「……...……はい...」




サッサッ


幸奈が攻め込み芹沢さんの隙をつこうとする



ここだっっ!!!



ジョキンッ



芹沢さんの左肩から横腹まで斬った




芹沢「ゥ……グハァッ……ハァ...ハァ……」



幸奈「芹沢さんっ!」



芹沢「これでいいのだ……...ハァ...」



幸奈「……ぅう……ぅ…芹沢さあん...」



芹沢「お主……本当の名...はなんだ……」



幸奈「宮野幸奈です……」



芹沢「幸奈...か...楽にしてくれ……」



幸奈「...はい」ウルウル




幸奈は懐刀を取り出す



ドクンッ ドクンッ




心臓の音が高鳴る




ドクンッ ドクンッ ドクンッ





私は...芹沢さんの……息の根を.....……






止めるっっ!!!





幸奈「いきますっ!!!」



芹沢「あ...ぁ……歴史は変わっ...た」


グサァッ



ポタポタ



幸奈「ぅ……ハァ...ハァ……ぅう...ゥ」





心臓に一突き……今度は外す事はなかった……