過去へ舞う姫

土方「何だ?」



幸奈「これから起こる事について、私の知っている歴史を教える」



土方「いいのか?本当に聞いても……」



幸奈「いいよ、私はね歴史を変えるためにここに来たの

だから長州や他の事は言わないけど壬生浪士組の事は話すから協力して欲しい

誰も死なせたくない」



土方「でもなぁ、俺達は武士だ

そんな事までして生き延びようとは思わねぇな」



幸奈「……武士として戦で死ねない人がいる」



土方「っっっ!!!」



幸奈「いいの?」



土方「…………誰だ」



幸奈「聞く覚悟が出来たの?」



土方「まぁな」



幸奈「今マスクを作っているのは風邪予防の為だけじゃないの、1人の隊士を死なせないために作ってる……


本当に聞くの?辛いよ?重いよ?」



土方「今翔がそうなんだろうが、辛いんだろ?」




土方……私のことまで考えて…………




幸奈「じゃあ話すよ、その1人の隊士は……




総司なの


総司は労咳で死ぬ……


正直マスクだけで防げるかわからない、手洗いうがいを義務づけて衛生面に気をつける必要もある」



土方「っっっ!!!!………………そ...総司……が…………」



幸奈「まだ武士として死ねない人はいる……

壬生浪士組の中で生き残るのはわずか……


新八、一、島田さん……

平兵士はわからないけど…………」



土方「近藤さんも……俺も死ぬのか…………」


幸奈「このままの歴史だと殆どの人が死ぬ……

まぁ頭の整理がつかないだろうから事件が起きる時その都度教えるけど、今何か聞きたい事はある?」



土方「...前に言っていた"しんせんぐみ"って何なんだ?」



幸奈「あ~、それはそのうち分かるし、私から言わない方がいい」



土方「ムッ どういう組織なのかも教えれねぇのか?」



幸奈「どういう組織か……そうね、私の尊敬する人達がいる所かな」



土方「よく分かんねぇ」



幸奈「そのうち分かるからいいの!


じゃあマスクは作り終わり次第隊のみんなに配って、必ず着けさせること!

それから手洗いうがいもしっかりと義務づけること!

近藤さんにも話といて


……総司の事や隊の事は伏せておいて」



土方「あぁ」



幸奈「あと明日外出するから、出る時にまた言う」


土方「あぁ」