「ねぇね、聞いた?昨日の居なくなった女の子って、妖怪に攫われたらしいよ」

ひそひそ話が遠くから聞こえる

「あんた、頭いかれた?妖怪なんて今の時代いないでしょう。それに、いなくなったのなんてどうせ家出とかなんじゃないの」

ぁー…うるさいなぁ…もう少し静かに話してくれないかな…

「そーかなぁ…まぁ、いっか!!早く帰ろう!!」

バタバタと騒がしい音を立て2人組の女子生徒は教室から出ていく。
その瞬間に、むくりと起き上がる女の子
「ふぁ…うるさかったな…はぁ…」

その時、

「恋ー!かっえろぉおおお!!!」

教室の前方のドアから大きな声が聞こえる
「うるさい…遅い…」

不機嫌な声で応えるこの女子生徒は『竜崎 恋(リュウザキ レン)
一方、大きな声を出し恋を呼ぶ男子生徒は『小林 愛桜』(コバヤシ マオ)

幼馴染みの2人は双子のような雰囲気がある。
「遅いだと!?僕は遅くないよ!!あの、女の子 2人組がいけないんだ!!」

腕をぶんぶんと振り回して抗議する愛桜
「あーはいはい。女の子苦手だもんねー。そんなに女の子らしいくせに」

嫌味のように言い スタスタと後方のドアから出ていく
「あ、待ってよ!!」

パタパタと慌しく後を追いかける愛桜。

ーキーンコーンカーンコーン~ー

『下校の時間になりました。。部活動をしている皆さんは速やかに片付けをし下校の準備をして下校してください』