アレからどれ位経っただろう。
俺は一度落ち着こうと丘から下り、水を飲んだ。

「…落ち着いた?」

「…あぁ‥。」

彼女をよく見れば、不思議な姿だった。
太陽に透ける異様に長い銀色の髪に澄んだ青い瞳。

「君は‥日本人じゃないよね…」

「青藍。」

「え…?」

「私の名前。」

名字…な訳ない。
彼女は俺にいきなり名前で呼べと言うのだろうか。

「えっと…名字は?」

「…紫紺。紫紺 青藍。」

「不思議な‥名前だね。」

若干苦笑混じりで返せば、さっきの質問の事を忘れていると思われる笑顔で微笑まれた。
そして、思いも寄らぬ返事を返された。

「私…人間じゃないから。」

「…は?」

さっきの言葉、この姿…人間じゃない、と言われれば納得出来る気もするが、これは何かのアニメやドラマではない。
でも……