いつもより低いお兄ちゃんの声にビクビクしながら、荷物を置いてお兄ちゃんの前に立つ。

次の瞬間、パアンという音が響いた。
ふと我に返ると私の頬は真っ赤に腫れていて。
「なんで教えなかったんだよ。」
そう言ったお兄ちゃんの目には涙が浮かんでいた。

「ごめんなさい。心配かけないようにしなきゃなって思って。」
私がそう言って頭を下げるとお兄ちゃんは、私を優しく抱き締めてくれた。

「お前、バカだろ。ちょっとくらいは心配させて?俺ら兄妹だろ」