「和叶(ノドカ)、おかえり」
 
 玄関のドアを開けると、お兄ちゃんの裕(ユウ)の優しい声が聞こえてくる。
 
 「ただいま。」
 そう返しながらリビングに行くと、ふわっといい香りがしていた

「もうすぐできるから、はじめに着替えておいで」
お兄ちゃんはそう言ってニコッと優しい笑顔を浮かべた。