ガラガラガラー・・・
「ごめん、誰か英語の教科書持ってない?」
そう言って現れた背のでかい男。
「あっ、金沢慶太や!美奈穂っ、教科書貸したったら?」
「はぁ!?嫌やわっ何であたしがあんな奴に――」
「なぁなぁっこの子が持ってるってー慶太くん借りたら?」
「あ、ほんまに?ありがとー・・・・・・って」
あー、どーしよ?
どーしたらええの!?
「えー・・・誰やったっけ?自分、何かで知ってんねんけどなー・・・」
って、忘れたんかいぃぃ!!
「さぁ?てか、はい、教科書。次あたし等も英語なんで、早めに返してくださいね」
「うん、ありがとー」
またあの笑顔で爽やかオーラ撒き散らしながらアホ男は帰って行った。
「あれ?何か、素っ気無くない?」
「そう?てか!何で亜紀ちゃん勝手にあたしの貸すとか言うてんのよ!」
