｢みんな知ってると思うけど、ここは元男子校。…まぁ正確には今もなんだけど、理由が複雑だから今は省くね。杏ちゃんと瑠衣ちゃんがここに入学してきたのは、異例中の異例なの。｣


｢…。｣




｢そこで、女の子は２人しかいない。校内に教師がいても危険な状況には変わりはない。そこで、｣







藍さんは、へらっと笑って見せた。






｢悠、蓮。お前らが護衛代わりだ。｣


｢…は？｣


｢…そんなことだと思ったよ。兄貴が呼んでくるんだから。｣


｢さすが悠は察しがいいね。…とにかく、狙いに来る男は少なくないと思うんだ。二人とも可愛いからね。｣






私と瑠衣は、ポカンとその話を聞くしかなかった。





｢だから、２人が常にそばにいて欲しい。これは僕からのお願いだよ。｣

｢…分かったよ。｣

｢…ちっ。｣


｢よろしくね。桜宮さん、桐谷さん。｣

｢あ、よろしく。｣

｢よろしくね。｣







宮本くんは割とすんなり受け入れたみたいだけど、中野くん…舌打ちしたし、なんかやだな。