「優奈!いつまで寝てるの?今日は入学式でしょ?」

今日で高校一年になる私の布団をはぎ取るママ。

久しぶりに小さいころの夢見た。

布団にくるまりながら、そんなことを考えた。

「ほら、里奈ちゃんと美咲ちゃん待ってるから」

中学時代の親友とも一緒に合格することができた。

パパ、受かったよ。

パパと、もう一度会いたいなぁ。

あれから、何度家を訪ねても誰もいない状態が続いていて、挙句の果てに、売家になっていた。

「どこにいるのよ」

八つ当たり交じりに制服に着替えて、強引にご飯を口の中に詰め込んだ。

「行ってきまぁす」