しばらく歩いた。

その時に、服屋などを見ていたマコはあることを思い出してしまった。


『これ、マコに似合うと思うんだけどな〜』


「...」


それは、去年病気で亡くなってしまった自身の姉__スピカのことだった。

服屋を横切る度に、共に服を選びあっていたという楽しい思い出が頭によみがえってしまう。

手をスカートのポケットに入れ、1粒の真珠の珠に触れる。

先程まで、ネックレスとなっていたけれど今ではたったの1粒となってしまった。

けれど、嫌な気はしていない。

あの時、ネックレスをバラバラにしたのはブレイクを助けるためだったのだから。

後悔なんて、していない。

視線を真珠の珠から、再び長く横に並んでいる服屋に向ける。