落ちた物をマコが拾い上げ、見てみるとそれは金属でできた鈴蘭のストラップだった。

綺麗なストラップ、と思いながら眺めているとヒョイと上から取り上げられた。

それからどこか切なげに「ありがとうな」と言うと、マコの頭をポンポンと撫でる。

ブレイクはストラップをウエストポーチの中に大切そうに入れると、何も無かったかのようにどこかへと歩き出した。


「私...」

ブレイクに変なことしちゃったかな?

彼を嫌にさせるようなこと、しちゃったのかな?

そう考えていると、足が動かなくなり視線が下に向いてしまう。

その時だった、おでこに少しの痛みが走った。

おでこを押さえて顔を上げると、そこにはニコリと微笑んでいるブレイクが立っていた。

さっきまで5m程先を歩いていたのに、わざわざ戻ってきてくれたのだろうか。


「なーに浮かない顔してんだよマコ。

ほら、早く鍵探しに行こう、な?」


マコの前にさっきみたいに差し出される大きな手。

掴むとギュッと握り返されて、ブレイクはマコを連れて歩き出す。


さっきのは気のせいだったのか?

そんな疑問を抱えたまま、マコ達は進んでいく。