迷宮のショッピングモール

「私は、"The mysterious world"っていう1階のお店に入ったら、ここにいつの間にか来てたの」

「"The mysterious world"...。不思議な世界か。
まぁ、店の名前までは見てなかったが、多分俺もそこに入ってここに来たんだと思う」

マコはずっと握っていたネックレスを見つめた。ブレイクは横目でそれを見た。

「ネックレス？それ、マコのか？」

首を左右に振った。切なそうにネックレスを見つめる彼女に、数秒声が出なかった。

「そっか。まぁ、そのネックレスに何があったかそこまで深入りするつもりはない。でも、大事な物なんだよな。大切にしろよ？」

「うん」

「よし！いい返事だ！じゃあ、もう少し経ったら行こうな」

彼によってぐしゃぐしゃにされた髪に触れながら、マコは静かに微笑んだ。