水筒はステージの上に置いてあった。 私は盛り上がっている男子たちを見向きもしないで走って通りすぎる。 「あ、藍。おかえりー」 衣緒はお弁当を食べている。 なにもなかったように。 「なんか飛んでこなかった?」 「バスケットボールが飛んできたけど、下に男子がいたみたいだから落としたよ」 「そっか」 私は紫藤と衣緒が関わらなかったことに安心した。