「じゃあ男子コート入ってー」
槙田先生が男子たちに声をかける。
女子はバスケの試合を終え、息を切らしている。私は衣緒に「おつかれ」と言ってコートの傍で休んでいた。
「お前ら女子が見ているからって激しすぎるなよー。じゃあ試合開始」
槙田先生は気合い十分な男子たちを笑って高くボールは上げた。
男子は青と赤のギブスで分かれていて、紫藤は青だった。
「紫藤、パス」
紫藤にさっそくパスが回り、ドリブルで敵を仕掛ける。
相手を寄せてから引き、そしてゴールへと攻める姿は誰が見てもかっこよかった。
そして一旦仲間にボールを渡し、もう一度ボールをもらい、レイアップシュートを決めた。
男女共に歓声が上がる。
やっぱ、かっこいい。
衣緒は目を輝かせて見ている。やっぱ衣緒は紫藤のことが好きなんだなぁって。
「衣緒」
私は衝動で衣緒に問いかける。
