「……はい。」

先生が悲しそうな顔をする。

「実は今日の夕方に言ってた俺の過去の事なんだけど……。」

あ……先生。

「……む、無理して言わなくていいですから!」

私が無理に先生の心を傷つけないようにしなきゃ。

「うん。……でね、」

そして、私は先生の高校の頃の出来事を聞いた。

「…………それで決めたんだ、外見だけでも女になるって。」

……。
そういう事があったんだ。
それなのに私は趣味で女装してるとか言って傷つけてしまった。

「先生、ごめんなさい。過去をエグってしまって。」

凄く申し訳ない気持ちになる。

「ううん。大丈夫だよ、話したから楽になったし。」

ドキッ

また先生がニコッと笑った。

かっこいい……

「っ!」

「ごめん、遅くなってしまったね。」

寂しそうな顔をする先生。

「大丈夫です。では、また明日ね」




家に帰ると何故か海南斗が居た。
帰ったはずなのに……なんで?

「おかえり、華蓮ちゃん。」