近藤や俺が言っているあの時の話をしよう。

あと俺が殺し屋になった時の話だ。

_あれは八年前の事だった。________

出来事は本当に突然だった。

近藤とは家が隣の言わば幼馴染のようなものだった。

俺の父上と母上は優しくない。

むしろ子供に暴力を振るような両親だった。

愛情なんて知らなかった。

だけど近藤や近藤の両親はとても優しくて俺の世話もしてくれた。

そんなある日のことだった・・・。

「金返せやぁ!!」

そんな男の声が聞こえた。

なんだと思い家に帰ると父上は正座をしていた。

どうやら借金をしていたらしい。

近「魅羽、外に行こう!!」

小声で近藤がそう言ってきた。

だがこんな両親でも俺の親だ。

だから俺は、両親を守ろうとした。

だけど・・・。

やはり最低な両親はこう言った。

「うちの娘を売ったお金で全額返済しますゆえ!」

は?

なんで・・・。

涙はなぜか一滴も零れ落ちることなく消えた。

近「魅羽・・・。」

心配そうに俺の顔を見る近藤。

離れたくない。

もっと近藤のそばにいたい。

「良いだろう。

おいお前は売られたんだ、お前を島原に売る。」

男がそう言うと俺の腕を強く引いて連れて行こうとした。

近「魅羽!!」

近藤は俺の両親に押さえつけられていた。

魅「近藤いつかまた会おう。」

これが近藤に最後に見せた笑顔だった