成美の頬にスーッと涙が溢れた。
そして、成美は目に涙を溜めたまま笑って、
「やっと言ってくれたね」
そう言った。
「やっと……?」
どういうことかよく分からなかった。
けど、成美の笑顔は今まで見た中で1番綺麗な笑顔で、
不謹慎だし、こんなこと思うのは変だと思うけど、
初めて本当の成美の笑顔を見た気がしたんだ。
「ずっと知ってたよ。陸に他に好きな人がいること」
「……え?」
「わたし、そんな鈍くないよ?」
長く綺麗に巻かれた髪を耳にかけて、ふふっと笑う。
そうだ。
なんで俺は成美が気付いてないと思ってたんだろう。
成美は頭が良くて、仕事も出来る、知的な女だ。
俺の考えてることなんて、わかっててもおかしくない。
