「……え、なにこれ」


思わず呟いてしまった。

朝、会社に来たらデスクの上に小さめの紙袋が数個置いてあったから。

紙袋を見る限り、お菓子か?


え、なんで?


チラリと横を見ると、隣の純平のデスクにも同じような紙袋が山積みになっていた。



「おはよー。……あ、もうそんな時期か」


後から来た純平がデスクの上の紙袋たちを見て呟いた。


「そんな時期?」


思わず純平に聞く。


「おいおい。陸大丈夫か?今日はバレンタインデーだよ」


バレンタインデー……あぁ、なるほど。

カレンダーを見て納得した。



「うわっ。今年陸よりチョコ少ねぇ〜。負けたわ」


俺のデスクの紙袋の数を数えてショックを受けてる純平。


「勝ち負けとかこんなんねぇだろ」


「いや、ある!俺モテたいもん」



「なんだそれ」


そんな話を純平としてたら始業時間になった。