「はぁい。わかってるって」
陸には感謝してもしきれない。
インターホンさえ押さずにいきなり家に押しかけるわたしを優しく迎え入れてくれる。
彼女でもないただの幼なじみなのに。
ほんとに陸は優しすぎる。
だからわたしはそれに甘えてしまう。
「でも陸…わたしには一切変なことしないんだよね」
2人きりの部屋で、あんなにギューって抱きついても、一緒にギューってしながら寝ても、
陸はわたしに手を出してこないし、キスさえもしてこない。
だから多分、陸の中でわたしはほんとにただの幼なじみなんだろう。
「あ〜もう陸くんが可哀想になってきた」
里穂は呆れたような顔で言った。
「確かにそうだよね〜」
いつも突然来て泣いてるわたしを慰めるのは可哀想だよね。
「いや、れみの思ってるそういう可哀想じゃないからね」
はぁ、とため息をつかれた。
