白衣の王子様

確かナツくんは今日は
外来だったはず。

気乗りしないまま診察室へ足を向ける。

コンコンッ


「失礼します。」


寝てる…。
少しホッとして隣に座る。


「真白…」


ドキッ


寝言?
何で私?双葉さんがいるんでしょ?

涙が浮かんで来て
ナツくんの顔が霞む。

ナツくんがよく飲んでいた栄養ドリンクを
そっと机に置き、
最後にナツくんの頬に触れて

さよなら…体を大切にしてね。

と言い残し診察室を後にした。