原さんの予想通り、
内線がひっきりなしに鳴り響く。


「藍原、そっちの心不全の患者フォローして!」

そう医局長が叫ぶ。

「はい!」

真白も負けずと返事をする。


心不全の患者の後は、小児の肺炎の入院の準備、
と落ち着いた頃にはオレンジ色の太陽が空から光り輝いていた。


「藍原ちゃん、お疲れ。今日は特別忙しかったな〜。」


田中先生だ。


「お疲れ様です。
先生今日も凄かったですね。
勉強になります。」

「そんな事ないよ〜。あ、棚原ちゃんも誘って朝メシどう?」

「いいですね〜!先輩誘ってきます!」


休憩室で棚原先輩と、
田中先生と真白で朝ごはんを食べる。
世間話で盛り上がっていると、
内線が鳴る。


「私取ります!はい、桜市立総合医療センター救急救命センター。
はい、はい。確認します。」

「先生、登校中の中学生女児、交通事故で脳内出血の疑いありです!受け入れますか?」

「了解、受け入れて。
脳外に連絡して!」

「受け入れ可能です。運んで下さい。」


15分後患者を乗せた救急車が到着した。
血まみれの患者を懸命に処置していく医局長と田中先生。

昔の光景がフラッシュバックしてきた真白は、懸命に耐えた。
手術室に運ばれて行く患者を見届け、
屋上へ走る。

何か冷たい物にぶつかったと思った時には
意識を手放していた。