女子は、私のことを気に入ってくれたようで、休み時間になるなり、教室のすべての女子と仲良くなってしまった。

コイバナも初めてした。

2時間目の休み時間は、男子がぞくぞくと私の机の周りに集まっている。

好きな人以外、男子が苦手な私は泣き出しそうになってしまった。

「おい。大丈夫か?」

そう、中瀬くんは私の様子に気がついたのか訪ねてきた。

これが私達の初めての会話。

「………私。」

と言ったところで言葉が出てこなかった。

私は教室を飛び出した。

「お、おい。」と中瀬くんは私を追ってきた。

「遼ずりーぞ。」とか、「抜け駆けすんなよな。」とか大声で言ってはいたけれど。

私は校舎裏についた。

前の学校での泣き場所。

私は体を縮こませて息を殺して泣いた。

そんな私を、中瀬くんは見つけた。

遼「お、おい。泣いてんのか?!」

と慰めてくれる。

別にあなたのせいじゃないのに。

遼「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿はゆりの花。」

私「え?何?中瀬君。」

遼「お前見てると、そんな気がした。」

私「そんなに綺麗なものじゃないよ。。」

遼「?そうか?」

私「でも、ありがと。」

と私は泣きながら笑った。

私「私ね。男子苦手なの。」

と半径1メートル以内に入ったことを気にしてか後ずさりする中瀬君。

私「中瀬くんは大丈夫なの。不思議でしょ?」

遼「不思議じゃねーさ。俺、お前みたいな不思議な奴。初めてあった。」

私は『?』をたくさん浮かべていることだろう。

遼「だいたい。俺からしゃべると女子はみんな逃げちまうしよ。まぁ、好きな人いないわけだ。」

私「中瀬君。モテるんじゃないかな。」

遼「そんなわけねーよ。お前、お世辞うまいな。」

私「お世辞じゃないよ?私ここまで男の子と話したの生まれて初めて。」

遼「そりゃ、光栄です。お姫様。」

私「な、なんでお姫様になるのよー///。」

遼「わ、顔真っ赤。」

私「もー、知らない。」

私の顔が真っ赤なのはね。

好きな人に『お姫様。』って言われたことなんだよ?

あなたの好きな人は誰ですか?

今度聞かせてくれる?