「きょうもんって読むのよ」


少女の後から追いついた、母親とおぼしき人が言った。

乾いた咳をして、少女に微笑む。

真白の肌と、細く指通りのよさそうな髪。

華奢な体つき以外、少女とは似ても似つかない。


「きょうもん? お母さんが言ってた特別な場所って、ここ?」


少女は鳥居を指差した。

「そうよ」