天狗の娘



「右の建物は、二千人以上の門下生が寝泊まりしている場所だ」


隼は言って、くるりと回れ右した。


「お前の相部屋の奴に迎えを頼んだ。練習が終わり次第来るだろう」

そして今さっき入ってきた扉に手をかける。

「え、隼は帰らないの?」

紗希は呼び止める。

「慶一郎様が囚われているんだ。急がなければならない」


そして扉を閉めて、あっけなくいなくなってしまった。