天狗の娘



「……道場でうまくお前を匿うには、新人として他の門生に紛らわせるのが手っ取り早い」


追いついた仏頂面の紗希に、隼は言った。


「ただ、絶対に正体をばらすな。
幸い、紗希という名を白天狗たちは知らない。
慶一郎様の娘であるという事を、ひた隠しにしていれば問題ないだろう」


「……わかった」


紗希は返事をした。

いつまでこんな危険人物といなくてはならないのかと考えると、気鬱になりそうだった。