天狗の娘



「ようこそ。常世へ」


いつの間にか隣に立っていた隼がにこりともせずに言った。

振り返ると、境門は跡形もなく消え失せていた。


「道場は直ぐ近くだ。来い」


隼はそう言って急ぎ足で歩きだす。

金色の月明かりに照らされた、彼の真黒の髪の毛が、艶やかに光を跳ね返していた。

その涼しげな態度に、紗希はむかっ腹が立った。