願いが通じたのか、その人は私の足にかかった罠を外してくれた。


「あぁ、脚に怪我を負ってしまったね…」


悲しそうにその人は言った。

そして、私を抱き上げひらけた雪原へ連れていった。


「お前さんは綺麗な翼をしている。その翼でどこまでも飛んでいきなさい。もう二度と罠には掛からぬようにな」


そう微笑んだその人は私を放した。

私はその人の言葉に答えるように、大きく翼を広げ飛び去った。