「『廃棄処分』だ『スクラップ』だ…」

ゴキンと。

十文字の拳が音を立てる。

「物みてぇに言うんじゃねぇ。てめぇをスクラップにするぞ」

「出来る訳なかろうが。お前みたいなMHに、次世代型改造人間の俺らを」

十文字の発言を一笑に付す男爵。

その顎に。

「がっ!」

またも十文字の拳がめり込む!

――衝撃値7トン、打撃速度秒速868メートル。

この速度は、狙撃銃の銃口初速並みだ。

幾ら男爵でも、至近距離で見切れる筈がない。

「出来る出来ねぇじゃねぇ」

複眼で、十文字は男爵を睨む。

「やるんだよ」