大鎌の切っ先が、真琴の背中から胸に貫通している。

それを引き抜いて。

「カカカカカッ」

少佐は飛び退いた。

同時に血に塗れ、崩れる真琴。

「高槻!」

本城、十文字、そして向日葵も、真琴に駆け寄る。

「しっかりしろ高槻、体内の再生用ナノマシンで、すぐに傷は…」

「いや…無理だ…中核(コア)の機能を貫通されている…如何に改造人間でも致命傷だ…」

本城の言葉に、真琴は返す。

「ふふ…罰…だろうな…咎人の私が…再び人間らしい感情を持とうとした…」

「そんな事ないよ真琴ちん!」

向日葵が真琴に呼び掛ける。

「真琴ちんだって、本城君を好きになる資格はあるよ!改造人間でも何でも、誰かを好きになる資格はあるんだよ!」

「向日葵…貴女は私の想いを…」

薙沢の家系の人間は、本質を見抜く勘の鋭さを生まれ持つ。

向日葵にも、母や姉が持っていた資質が備わっていた。

「そうか…化け物となり果てた私にも…人を愛する資格はあるか…」