人間とは全く異なる異形ながら、誰にも気づかれる事なく、真琴は帝重工の最深部へと到達した。

関係者の中でも、特別な権限を持つ者しか立ち入る事を許されない区画。

そこに、数人の研究者達がいた。

複雑な計器類、測定器具、張り巡らされた配線、モニタ類、幾つもの入力機器。

それらが組み合わさった大規模な装置が、鎮座している。

(睨んだ通りだ)

真琴の推察通り、そこには時空連結システムの試作機があった。

今はまだ、限定された地域…柊市のみを別の世界と連結させる事しかできないようだ。

しかしこの試作機が完成し、全ての地域を自由に連結させる事が出来るようになったら…。

機関は別の世界のあらゆる場所に、改造人間の大部隊を送り込む事が出来るようになる。

これを侵略と呼ばず、何と呼ぶのか。