「私が機関に籍を置いていた頃の話だが」

それまで黙っていた真琴が口を開く。

「機関は、時空連結システムというものを研究していた」

「時空連結システム?」

向日葵にとっては難解な話ばかりだ。

「異なる空間同士を結び、人や物を転移させるシステムだ。私が機関にいた頃は研究段階だったが…」

これを完成させる事により、例えば向日葵の住んでいる世界と、十文字達の住んでいる世界を繋げる事も可能となる。

向日葵が一連の事件を知らないのは、『十文字達の住んでいる柊市』の知識がないからではないのか。