Transformation-異形-

ドタバタと廊下を走って行く男爵を見送り、円卓には将軍1人。

彼は。

「…くくっ」

密かにほくそ笑んだ。

せいぜい手柄欲しさに、挙って殺し合いに向かうがいい。

俺には分かっている。

ここまでの長きに亘り、機関の追っ手から逃れ続けてきた裏切り者のMH。

弱い筈がない。

度重なる戦闘で再生と強化を繰り返し、奴らは旧型改造人間でありながら、従来の基本性能を遥かに上回るスペックを獲得していると聞く。

無論、支部長である彼らが負ける事はあるまい。

負ける事はあるまいが、無傷で仕留める事もまた困難。

少なからずダメージは受けるだろう。