「まどろっこしい事は嫌いじゃ」

岩石の棍棒をパシパシと手に打ち付けながら言う、石像のような様相の男。

機関エジプト支部長『男爵』。

「ツベコベ言わずに、力尽くで叩きのめしてやりゃあええんじゃ」

4人の支部長達は、それぞれの意見を主張して折り合いがつかない。

「諸君の意見はよく分かった」

それらの言い分を纏めるように、将軍が言う。

「この場にいるのは幹部クラスの実力を持つ猛者揃い。誰もが裏切り者のミスクリエーションを仕留めるに足る実力者だ。が…誰か1人に手柄を与えてしまうというのも不公平だし遺恨が残る。そこでだ」

将軍は支部長達を見回した。

「どうだろう、ここは明確なリーダーを設定せず、完全な実力主義というのは」