「散歩はもう十分だろう、10号」

蜘蛛男は言う。

「そろそろ機関に戻って来い。今なら戯れだったと済まされる。が、まだ反抗的な態度をとるようなら、この娘が…」

吐き出した糸で、向日葵をぶら下げる蜘蛛男。

その向日葵が。

「変身ヒーローの最初の悪役は、蜘蛛の怪人って決まってるの」

気丈にも蜘蛛男に向かって言う。

「蜘蛛の怪人は変身ヒーローの必殺キックでやられちゃうんだよ!アンタだって十文字君にやられちゃうんだから!」

「…その前にお前を殺すか」

蜘蛛男は吐き出した糸をプツリと引き千切り、高いビルから向日葵を真っ逆さまに落下させる!

地面に叩きつけられれば只では済まない高さ。

そんな高さから転落する向日葵を。

「!!」

十文字は瞬時にして変身し、跳躍して受け止めた。