「十文字」

本城と真琴が駆け寄ってくる。

「怪我はないか」

「全く、さっき目立つ行動はするなと言ったばかりなのに」

心配する本城、窘める真琴の前で、十文字は人間の姿に戻る。

「十文字君っていうのね」

十文字の横顔を見る向日葵。

「彼女は?」

逆に真琴が向日葵の横顔を見る。

「私、柊高校1年の薙沢 向日葵っていいます」

ハキハキとした口調で自己紹介する向日葵。

一般人と関わりを持つ事は、出来れば避けた方がいいのだが。

困惑する本城と真琴。