明らかに人間ではない。

まさにトラックの運転手の言う通りの『化け物』。

しかし、その化け物に。

「お兄さんは…変身ヒーローか何か?」

些かも物怖じする事なく、向日葵は興味津々に問い掛けた。

驚いたのは十文字だ。

この姿を見て、脅えない一般人がいるとは思わなかった。

自分自身でさえ、変身した異形の姿を、醜い、見るに堪えないとさえ思うのに。

「怖くないのか…俺が」

「うん」

向日葵はニパッと笑う。

「そういうの、耐性があるんだ、私」