「気を悪くしたのなら謝る」

頭を下げる本城。

「そういう気遣いが無用だと言っている。私を女として見る必要などない」

何が不満なのか、唇を尖らせる真琴。

「どうでもいいが」

十文字が少し呆れた顔をした。

「こんな夜中に男女が往来で揉めているのは目立つ。喧嘩するならファミレスにでも入るか」

「む」

「……」

十文字に指摘され、顔を見合わせる本城と真琴。