3人は周囲を警戒しながら街を歩く。

既に暗くなってしまった街。

中規模都市である柊市は、深夜ともなるとネオンも消え、静寂が訪れる。

大都市のように、明け方まで煌びやかに照らし出される不夜城とは違うのだ。

人気も少なく、街を歩いているのは十文字達だけのようだ。

「どうするんだ。今夜はこのまま街を歩き回っているのか?」

訊ねる十文字。

「それもあまり勧められないな。女性を一晩中連れ回すというのも…」

そう言って真琴を見る本城。

「言葉を返すようだけど」

真琴は本城の顔を見た。

「君は私の事を『女』として見過ぎだ」

「何故だ?事実、君は女だろう」

「『女』である前に『戦士』だ」

真正面から本城を見返す真琴。