その日は天気も良く、薙沢 向日葵(なぎさわ ひまわり)は一日中柊市内で遊んでいた。

まだ3月というのに春の陽気。

通りを行き交う人は、すっかり薄着になってしまっている。

かくいう向日葵も、よく日焼けした健康的な肌を、タンクトップとホットパンツに包んでいた。

春を通り越して夏の装いだ。

小麦色の肌と、露出多めの服装を好むのは、母や姉に似たのだろうか。

幼少の頃の元気の良さはそのままに、小学生の頃のお団子髪を肩まで伸ばした茶髪にして、向日葵は高校に進学した。

中学までは別の街の学校に通っていたのだが、活発な性格は家系なのか。

突如として彼女は、実家から少し離れた柊市で1人暮らししつつ、高校に通いたいと言い始めた。