その横顔に。

「だがそれでも」

声が聞こえた。

咄嗟に振り向く10号。

…男女が立っていた。

異形の姿の10号を見ても驚かない。

寧ろ憐憫と、慈愛を含ませた瞳で見つめる。

「それでも、その体で人間を守る事は出来る。二度と自分と同じような犠牲者を出さないように、戦う事は出来る」

そう言ってのけた男女2人は、10号の前で変貌する。

1人は再生と強化を繰り返して変色した白銀、もう1人は深緑色を基調とした甲殻状の装甲を持つ異形に。

体色こそ違えど、彼らもまた化け物だった。

本城 隼人(ほんじょう はやと)と高槻 真琴(たかつき まこと)。

彼らこそ『はじまりの異形』。

機関によって改造された、テロ用改造人間の1号と2号だった。