「馬鹿な」

「次世代型改造人間を…旧式のMHが倒すだと?」

参謀と師団長が口々に言う。

…無言のまま着地する十文字。

しかし。

「ぐふっ…」

その口腔部から喀血する。

そうだ。

自分よりも遥かに高性能高出力の改造人間を、複数相手にしているのだ。

無傷な筈がない。

そのボディには、深刻なまでのダメージを負っている筈だ。

体内の修復用ナノマシンでは追いつかないほどの損傷が、その身に刻まれている筈。

「いわば廃棄寸前のポンコツという訳か!」

戦斧を振り上げ、突進してくる師団長。

十文字は、その戦斧を跳躍で回避する。