空中に逃れたからと、安心は出来ない。

「!!」

狙い撃つように投げ放たれる鎖鉄球。

身を捩ってそれを躱し、着地。

と同時に。

「くらえいっ!」

男爵の棍棒が振り下ろされる!

両腕でガードする十文字だが。

「ぐぅっ!」

その衝撃で足が地面にめり込んだ。

パワーでは参謀といい勝負か。

そうそう何度も受け止められる攻撃ではない。

「効いたか!効いたじゃろう!」

嬉々として、もう一度棍棒を振り上げる男爵。

そんな彼の腹に。

「とおっ!」

十文字は膝蹴りを浴びせる!