「あ、でもね。私、絶叫系は嫌いなの……」
遊園地は大好きだけど、私は昔から絶叫系は大の苦手だった。
ジェットコースターは絶対乗らないし、私がいつも乗るのはコーヒーカップとか、メリーゴーランドとか……。
そんなのしか乗れないって、私ってすごく子供みたいだよね……。
「じゃあ絶叫系以外は制覇しような」
「で、でも……桜井くんはジェットコースターとか乗りたいでしょ?私に合わせなくてもいいから桜井くんは好きなの乗ってきていいよ?」
私は絶叫系が嫌いだけど、きっと桜井くんは違う。
だって男の子だし……。
絶叫系とか好きそう。
だから、私に合わせなくてもいいから桜井くんは桜井くんで楽しんで欲しいな。
だけど……
「何言ってんだよ。お前を置いて1人で乗るわけねーだろ」
桜井くんはそう言った。
「で、でも……」
私に合わせてたらきっと桜井くんは楽しめないよ?
「でもはナシ。俺はお前と一緒なら何でも楽しいから」
な、なんか今日の桜井くん、いつに増して優しくない?
こんなこと言われて、ドキドキしないほうがおかしいよ……っ。
「ありがとう……。私も桜井くんと一緒なら何でも楽しいよ……」
桜井くんの言葉に私も返したい、って思ったから私も素直に今の気持ちを伝えた。
のはいいけど、やっぱり恥ずかしい。
恥ずかしくなってうつむく私。
「それ、反則だろ」

