地味な私が恋したヒト



まあ桜井くんでも緊張してうまく話せないんだけど。


「人って彼氏?」


この人たち、しつこい……。


さっさとどっか行ってくれればいいのに……。


「ち、ちがいます!ただの友達です……」


ほんとは彼氏です、って言いたいけど桜井くんは私の彼氏なのかどうかわかんないし。


お願いだから、諦めて欲しい。


こんな人たちとカラオケなんて行っても歌えずに終わるだけだし、何より桜井くんとデートできないなんて嫌だ。


早く桜井くん来ないかなぁ。


でも私、早く来ちゃったししばらくは来ないかも……。


それまでこの人たちと一緒だなんて……。


「友達?てかさ、そんなのいいから俺らと遊ぼーぜ」


そう言うと、男の1人が私の腕を掴んだ。


抵抗しようとしても、私の弱い力じゃどうにもならない。


うそっ、どうしよう……。


「あ、あのっ!離してください……っ!」


必死に腕を振りほどこうとするけど、全然効果はない。