「桜井くん、まだかなー」
次の日。
私は楽しみすぎて、約束の時間よりも30分も早く来てしまった。
そりゃあまだ桜井くんは来てないわけで。
今日、どこ行くんだろうか。
桜井くんとならどこ行っても楽しいだろうなぁ。
そんなことを考えているときだった。
「ねぇねぇ、キミ可愛いね。俺ら今からカラオケ行くんだけど一緒にどう?」
知らない男の人たちに話しかけられたのは。
なんだかこの人たち見た目は怖いし、チャラそう。
思わず後ずさりしそうになったけど、ちゃんと断らなきゃ。
「あ、あの……。私っ、人を待ってるので……」
桜井くん以外の男の人と話すことなんてないから、うまく話せない。

