地味な私が恋したヒト



そんな私に呆れたのか、桜井くんは大きくため息をついた。


「早坂ってそんなに俺のこと嫌いなんだな」


え、嫌い……?


なんでそうなるの?


私、何かした……?


嫌いなんて、そんなことありえないよ。


「嫌いなわけないよ!そのっ、私は……っ!」


桜井くんのことが好きなの、そう言いたかったけど……。


私と桜井くんの間に割って入るようにアヤさんが来たから、言えなかった。



「和真ぁ〜!こんなとこで何してんのぉ?早坂さんも用が済んだなら和真のこと返してよね」


そして、アヤさんは私を睨むようにして言った。


「あ……ごめんなさい」


その気迫に思わず謝ってしまった私。