地味な私が恋したヒト



そして私たちはそのままゴールした。


その時に審判の人にお題の紙を見せたら、すごくニヤニヤして私と桜井くんをからかうように見てきて、恥ずかしかった。


ゴールして、桜井くんが私と繋いでいた手をパッと離す。


「悪い。早かったよな……」


私のために走ってくれたのに、私にそんな風に気をつかってくれる桜井くん。


やっぱり好きだよ……。

 
「そんな……っ!私が無理矢理連れてきたんだし……」


「無理矢理じゃねーから」


え?


それ、どういう意味……?


そんな私の気持ちに気づいたのか、桜井くんが言葉を続ける。


「俺はお前だから、ついて行ったんだよ」